ディアボロはコマと同じように回転をつけるほどに安定しますが、始めに紹介した回転のかけ方では回転が強くかかるまでに多少時間がかかってしまいます。

ここではより速く、強い回転をかけることのできる方法をいくつか紹介します。
●ラップ

より速く、強い回転をディアボロにかけるのに必要な要素は、

1、より強い力を使う
2、ディアボロと糸の摩擦力を上げ、効率的に力を加える

の二通りです。

ラップが後者の摩擦力を上げて回転力を上げる方法の代表的な方法といえるでしょう。

ラップでは普段の回転のかけ方より一周多く糸を巻きつけるようにし、それにより糸の摩擦力が高まり、腕の力がよりディアボロに伝わりやすくなります。

ラップの方法は、回転しているディアボロに右ハンドスティックを手前側を通して左側へ持っていき、そのままディアボロの下を通して糸を巻きつけ、元の位置に戻ります。
これで糸が一周多く巻きつきましたね。

この状態のまま普段のように回転をかけてみてください。
今までと比べずっと早く回転がかかるのが分かると思います。

ただし、糸と糸が重なっているために絡まりやすくなりますので、それをさけるため右手を少し手前に引いて回転をかけるようにします。



●クロスオーバー

クロスオーバーは腕を左右に強く振ることでより強い力をディアボロに加える方法です。

クロスオーバーは2つの動きに分けることができます。

1、右手を左側へ大きく振り、ディアボロに強い回転をかける
2、腕を広げ、左に振ったディアボロを右に戻す

左手は補助的に右手と逆の動きをします。
1の時はクロスするようになり、2では広げるようなります。

またポイントは

1、ディアボロは常に自分の体と平行にして動く
2、ディアボロの傾きをクロスさせる腕の前後を入れ替えて調節する。

の二つ。
ではやってみましょう!

構えた状態から右腕を強く左側へ振り、ディアボロを体の左側へもっていきます。

ディアボロが左に移った後、すぐに右腕を右側へ振ると、反動でディアボロが右側へ飛んできます。
右側へディアボロが来たらすかさずまた右腕を左に強く振ります。この時に強く回転がかかります。

ディアボロは常に自分の体と平行して動くようにしてください。

またクロスオーバーで回転をかけていると次第に前後にディアボロが傾いてきます。
その場合右手を左手の手前や、向こう側を通すことで傾きを調整することができます。
●スピードループ

スピードループはラップを応用した技で、より強く、速い回転をかけることができます。
スピードループは一度に多くの動きを行わなければならない比較的難しい技ですが、クロスオーバーと同じく人気の高い回転のかけ方ですので、ぜひ覚えておきましょう。

スピードループの行程は、

1、右手でラップをかけ、右手を戻す勢いでディアボロを左へ押し出す
2、勢いがついているディアボロを、腕を軽く広げることで上へ持ち上げる
3、大きく回転して戻ってきたディアボロを再び押し出すように左へ送る\



の三つ。
ひとつひとつ解説していきましょう。

1、右手でラップをかけ、右手を戻す勢いでディアボロを左へ押し出す

スピードループはラップの応用ですので、ラップはもう完璧!ではない場合、先にラップをおぼえてくださいね。
はじめに体の右側でラップをかけます。そのまま右手でディアボロを左へ押し出すようにして勢いをつけます。


2、勢いがついているディアボロを、腕を軽く広げることで上へ持ち上げる

左方向へ勢いがついたディアボロは、ハイトスのような形で軽く両手を広げると自然に上へ上がっていきます。

糸が巻き付いたままのため、糸に沿うようにして大きく円を描きながら右手の方へ戻ってきます。
このとき両手ともに力を加えません。
スピードループの原則では腕の下にある時に力を加え、上にある時は力を加えません。

ディアボロが上がる勢いに合わせて腕も上下させるとより大きな円を描くことができます。


3、大きく回転して戻ってきたディアボロを再び押し出すように左へ送る\



自然と右手近くへ落ちてきますので、1と同じように再び左へ押し出すようにして回転をかけます。

スピードループでもディアボロの回転をコントロールするのは右手で、左手は右手と一緒にディアボロの位置をコントロールする補助的な役割をします。

はじめはうまく上に上がらなかったり、前後にぶれてしまったりと安定しないかもしれませんが、徐々に毎回同じように回せるようになりますよ。

スピードループは人気の高い技のため多くの人ができますが、それと反して実際はなかなか難しい技です。
なかなかできなくても根気よく続けてください。


この他にも回転のかけ方は数多くあります。
ラップの状態から強く右腕を上下に振ることで上と下の両方で強い回転をかけることのできる「チャイニーズアクセラレーション」や、様々な技の途中で力の加え加減で回転をかけることもでき、その種類はとてもに豊富です。
色々と試してみてください。