2 ブリスベンのジャグリングクラブへの参加
◇はじめに 

僕は旅の目的のひとつに海外のジャグリングクラブに参加するというのがあり、出発前からインターネットを駆使して検索し、オーストラリアのいくつかのジャグリングクラブの代表者にメールを送りました。 その中で返信が来たブリスベンのジャグリングクラブに参加してきました。 

◇ピアッザ

 練習場所はブリスベンの中心地から少し離れたところにあるサウスバンクパークランドという公園の一角のピアッザ(広場)というところです。 観客席が二階まであるコロシアムのような造りで天井は10メートルぐらいあり、特別に許可がいるのかどうかわかりませんが、僕が訪れたときはとても開放的で誰でもいつでも利用できるようになっていました。  ピアッザ以外にもこの公園内には芝生が生い茂る広いスペースがたくさんありどこでも存分にジャグリングできました。  毎週月曜日の夜7〜9時半に練習しているというので、その時間にいくと誰もいませんでした。 そのへんは、広大な風土からくるオージーののんびりとした性格からなのからなのでしょうか?(笑)

◇練習参加

しばらくするとサーカスフェスティバルで知り合ったこのクラブに参加しているカイロプラクティスの先生夫婦がきて、お二人は代表者のWayneさんから日本人が遊びにくると聞いていたらしく快く僕を歓迎してくれました。  お二人とも僕の二倍以上の年齢に見えるにもかかわらず積極的で、ボールパスを誘ってきてくれたり、サーカスフェスティバルに参加したりしてとてもパワーを感じました。  そのうち人が集まってきて10人ぐらいになり練習が始まりました。 

 みなさん一輪車やらクラブやらポイやら、おもいおもいの道具を持ってきていて、しばらくすると見慣れないひとがいることに気づき、話しかけにきてくれました。  挨拶、握手、そして名前と出身を話して、その後僕はなんとなくクラブをもっていたので、近々日本にパフォーマンスしにきたいと話していたMattとクラブパスし始めたのですが、僕のたどたどしい英語ではカウントのことを伝えられず、なかなか上手くパスが続きません。  そのうちお互い相手の目をみて必死に呼吸を合わせてパスを続けようとしているうちに、だんだんと続くようになり、最後にはただ4カウントでクラブパスをしているだけなのに嬉しくなってきて、自然に笑いがこぼれてきた。同じように何人かとクラブパスを交わしいろいろと見せてもらったり時には僕が教えたりして慣れてきてから、ファイヤーポイを練習している人がいたのでポイを見に、そして習いにいきました。 

 残念ながらその人の名前は忘れてしまったのですが、ファイヤーポイの練習でポイが腕に絡み付いて火傷した跡を見たことは今でも忘れられません。  ポイはオーストラリアではディアボロと同様に有名なもので、サーカスフェスティバルでもポイのワークショップがありました。ファイヤーポイの彼にポイを教えてもらうときに、いきなりファイヤーポイを渡されたときはさすがにびっくりしましたが、身振り手振りで基本を教えてくれました。 このとき、彼をはじめ周りにいた人たちみんな、まるで前からこのクラブに参加している人を教えるかのように親切に教えてくれたことがとても嬉しかったです。  もし逆の立場だったらこのように受け入れることができるのかを考えてしましました。 

「ブリスベンのジャグリングクラブにて」
 ”僕(中央、緑のシガーを持っている)を中心として、カイロプラクティスの先生(右)、MATT(後ろ)BENE(右斜め後ろ)みんな Brotherです。(笑)”
◇約束と感謝

 そんな感じで練習の終了時間が近づいてきたとき、カイロプラクティスの先生に「シガーボックス見せてください」と言われました。  そういえば、サーカスフェスティバルで自己紹介したときにシガーボックスが得意であることを話し、そしてブリスベンのジャグリングクラブに参加したときに見せるという約束をしたことを思い出した。   僕はみなさんに暖かく迎えてもらったことへの感謝に、今自分にできることをみなさんにみせました。  短いものだったのですが、とても喜んでもらったので僕も、パフォーマンスの成功とは別の満足を得ることができました。   最後にMatt、Bene、カイロプラクティスの先生やみなさんにお別れを言うのがとても辛かったです。 短い間で交わした言葉も少ないのにもかかわらず、ずっと前からの知り合いと別れをするような気分でした。    なぜこんな気持ちになれたのか、なったのかよくわかりません。 でも、これからもっとこのような経験がしていきたいと心から思いました。   全員でとった写真はかけがえのないものになりました。


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