小平ジャグリング倶楽部
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■東京学芸大学小金井祭

2001/11/3 出演:やぐま、末廣、たかし

 最初の一滴が地面に染みをつけたのは、パフォーマンス開始予定時刻のちょうど1時間前であった。すぐに止むさ、という根拠のない期待を胸に、予定通りにパフォーマンスの準備に取り掛かる。準備をしているとすぐに、たてもの園で我々のパフォーマンスを見た、という方が現れ、苦もなく人が集まり始める。ここ数週間の成果があったことを実感でき、うれしく思う。しかし、そのような思いとは反対に雨脚は次第に強くなっていく。この決してよいとは言えない環境でKJCのパフォーマンスを見てくれる人がいる、こんなありがたい話はない。やるぞ。はじめはコーンさんによるボール。たかしのポイ、ディアボロ、ハードパンチャー・カップ。ショーが進みにつれ増えるお客さん。その期待に応えたい!という思いと、強まる雨。ハードパンチャーとコーンさんクラブショー、そして最後にクラブ・パッシング、終了の挨拶をする。暖かい拍手が辺りを包む。それぞれが雨に悩みつつも無事一回目のショーを終えた。

 結局この一回目のパフォーマンス以降、待てども待てども雨が止むことはなかった。降りしきる雨。雨、降りしきる。夕方にステージに空きがあるのでやらないか。実行委員の長谷川さんが声をかけてくれる。喜んで!

 かくして雨中のステージが始まる。ステージには急遽設置されたテントの屋根がかかっているものの、その床にはまだ雨でぬれた痕跡が色濃く残っている。もっと大変だったのは見てくれたお客さんたちであったのではないだろうか。我々には屋根がある。お客さんの立っている場所は、木の枝が覆い被さるようなっているため多少雨の影響も弱まるとは言え、雨が落ちてくることには変わりない。ステージをはじめたころは4人のお客さんがいたと記憶している。パフォーマンスを待ってくれている、その人たちのためにショーをスタートさせた。ステージも終わり近く、最後のクラブパッシングにさしかかるころには何人の方が見てくれていただろう。予想以上の数の人が我々のパフォーマンスをじっと見ていてくれていた。雨の降りしきる中で。

 雨中のパフォーマンスは正直難しかった。ある道具は滑り、ある道具は水気を吸い重くなる。普段とまったく違う感覚。見ている人には失敗が多くうつったかもしれない。それでも我々のパフォーマンスに応えてくれる人がたくさんいた。その人たちのエネルギーが今回のこの雨中のパフォーマンスを支えた一番の要因のような気がする。

 学芸大のキャンパスの中では、前に見た!と言って声をかけてくれる方が数多くいた。ある人はたてもの園、ある人は市民祭り、そしてある人は若竹幼稚園で、というように。声をかけてくれるだけでなく、多くの人は我々の公演を楽しみにしてくれていた。KJCが地域に根ざしつつある、そう思えた小金井祭であった。